労働が組織されたものであることが形としてわかる典型的な場合が製造ラインで、その場合は労働時間管理がなじむと考えられているが、サービス経済化が進んで、こういった工場労働が労働の典型とはいえなくなった。厚生労働省の「あり方」(二〇〇六年)が述べている「自律的な働き方をすることがふさわしい仕事」とは、使用者から具体的な労働時間の配分の指小を受けることがない者で、かつ、業務量の適正化の観点から、使用者から業務の追加の指示があった場合は既存の業務との調節ができる者だ、という。
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しかし、どんな仕事でも他人とのかかわりのなかで処理していくもので、自分ひとりで仕事のやり方や時間配分を判断して、そのとおりに実行していけるものではない。納期やノルマなどの会社の都合とは無関係に自分の裁量で仕事を配分・調整できるなどというのは真っ赤な嘘で、自由に判断したツケがマイナスの「勤務評定」になるようでは、「自律」「自己決定」という名の「他律と強制」がまかり通り、結局、会社や取引先の都合に生活が振り回されることになってしまう。どんなにクリエイティブな仕事でも、会社の組織人としてみんなと仕事をしている以上、いろいろな配慮が必要だし、そのために自分の生活を犠牲にすることはつきものなのだ。正月休みの初夢にまで売上げ実績を追求する上司が出てきたりして、生活のすべてが会社に支配された状態になりかねないのが、最近のホワイトカラー労働で、ある意味、労働負荷が質的・量的に可視化されやすい工場労働以上に危険が内在しているともいえる。