不利益を忍んでやむなく選択する

2011.12.17

不利益を「選択の結果」であるとされてしまうことも不合理である。たしかに、契約の自由は近代市民社会における重要な原則ではあるが、人間は、その日その日を生きるために、不利益を忍んでやむなく選択することを強いられる。そうした場面において、「自己決定」に基づく選択の結果だから不利益を忍ぶべきだという考え方が、いかにまやかしに過ぎないかは明白というべきだろう。そもそも、非正規雇用のメリットとされる「仕事と生活の調和」や「契約に基づく働き方」「専門性を活かして働く」といったことは、どんな形で働くにしても、人間である限り保障される必要があるものである。

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国際社会においても「仕事と生活の調和」の権利は、男女労働者に等しく保障される権利として確認されてきた。現在の育児介護休業法は、一定年齢に至るまでの子どもを養育したり、家族介護の必要のある男女労働者に対して休業や労働時間短縮の権利、勤務場所への配慮を認めているのである。ILO勧告は、家族的責任を有する労働者は就業の機会や保障に関して他の労働者との均等待遇が保障されるべきであるとしている。